【宮崎大学 公開講座】源氏物語 ~宿木巻(後半)を読む~【全4回】

2024/11/09 ~ 2024/11/10

2024年度後期 宮崎大学公開講座として『源氏物語 ~宿木巻(後半)を読む~』が開催されます。

お待たせしました。今回、『源氏物語』最後のヒロイン浮舟がやっと登場します。と言っても、講座2日目のお話ですが。

前回の講座の最後で、姉・中君からその存在を聞かされた薫は、今回の講座の最初で、二人の父である故八の宮に古くから使え、事情を良く知る弁の尼にその詳細を確認します。ここまでは、薫のように慎重で身分が高く、失敗が許されない立場の人なら普通にやることかもしれませんが、物語はさらに、薫と中君の仲を疑った匂宮が、嫉妬のため中君への情愛を深める様子を挟みます。それがチラシ下部に掲載されている国宝源氏物語の絵なのですが、つまり物語は、薫と浮舟の出会いを引き延ばし、その間に中君を「安全圏」へと逃がしていると言えるでしょう。

言葉を加えれば、前回、「あわや」のところまで薫に近づかれてしまった中君は、匂宮に守られることにより完全に安全となり、そのあと薫には浮舟があてがわれる。こうして最初は中君の役割であったかもしれないものが、確実に浮舟へと移っていくのです。前回もお話しましたように、これが宿木巻の異様な長さの理由であり、『源氏物語』作者の「計算」であったと思われます。

さらに作者が「計算」したことはもう一つ指摘できます。それは早蕨巻で尼にしてまで弁を宇治に残したことです。彼女は今回、浮舟と薫の仲立ちをしますが、大君の代わりである浮舟と薫の出会いの場は、どうしても宇治でなければなりません。そのための宇治残留であり、その最も自然な理由が尼となることであったわけです。

このように考えてくると、作者の「計算力」というのは、どこまであったことになるのでしょう。何だか空恐ろしくなってきませんか。それが『源氏物語』が傑作たる所以の一つなのですが、今回はその辺りをお楽しみください。皆様のご参加をお待ちしています!

★チラシのダウンロードが可能です
・講座案内:ダウンロード
・2024年度後期 講座一覧:ダウンロード

◆関連リンク
宮崎大学 学び・学生支援機構 共創人材育成部門ホームページ

イベント概要

◆開催日程 2024年11月9日(土)~11月10日(日)【全4回】
◆開催場所 宮崎大学まちなかキャンパス(宮崎市若草通り 村武ビル 1階)
◆募集対象 一般・大学生
◆募集定員 30名(先着順)
◆参加費用 3,000円
◆事前申込 必要

◆講師 山田 利博 氏(宮崎大学 名誉教授)

◆スケジュール
・【第1回】11月09日(土)10:30~12:00「薫、浮舟のことを弁の尼に尋ねる」
・【第2回】11月09日(土)13:00~14:30「匂宮、中君への情愛深まる」
・【第3回】11月10日(日)10:30~12:00「薫、宇治で浮舟と邂逅」
・【第4回】11月10日(日)13:00~14:30「薫、弁の尼に仲立を依頼」

◆申込方法 申込フォーム よりお申込ください

◆申込締切 定員に達し次第締切

日程 2024年11月9日(土)~11月10日(日)【全4回】
開催場所 宮崎大学まちなかキャンパス(宮崎市若草通り 村武ビル 1階)
地図
お問い合わせ 宮崎大学 学び・学生支援機構 共創人材育成課
電話番号:0985-58-7188(受付時間…平日 9:00~16:00/土日祝を除く)
関連ページ 宮崎大学 学び・学生支援機構 共創人材育成部門ホームページ:公開講座「源氏物語~宿木巻(後半)を読む~」